この夏、ドキュメンタリー番組のリサーチをしていて知ったのだが、「Unmarried and Single American's Week」というのがあって、それが今週だ。もともとは「ひとり者に対する偏見や差別を排し、独身者に同等の権利を主張する」という主旨で、1984年にオハイオ州でUnmarried Americaという団体が始めたものだ(ちなみにアメリカの15才以上の人口の40%以上、9400万人が独身だそうだ)。同じようなSingle's Weekは英国でも’お祝い’されていて、独身者向けのイベントなど行なわれている。
 確かに米国はカップル文化なので、独身で恋人もいないとなると、ソーシャルな場では苦労することがある。若い子だけのパーティなら一人で来る人はたくさんいるけれど、30代も半ばとなると、カップル参加がマジョリティだ。会社のパーティやウェディングパーティにエスコートが必要な時は、異性の友達に頼んで来てもらったりする。
 ジャーナリストのAshは、ブログの中でこう書いている。「カップルはカップルどうしで集まる。あの人たちはシングルを恐がっている。私たちと一緒にいると、愛のないつらい独身時代を思い出してぞっとするんだろう。’どうして結婚しないの?’という質問の本当の意味は、’あなた、どこかおかしいんじゃないの?’だ」。
 こういうことは、日本よりもアメリカのほうがむしろ多いかもしれない。都会ではプレッシャーをそんなに感じていない友人たちが、実家や同窓会からぐったりして帰ってくるのは、日米変わらない。私自身、たまに奥様となった知り合いに「今度の彼とは幸せになれるといいわね」と言われたりすると、グサッとくる。「結婚にたどり着かないうちは幸せじゃないってわけ? 結婚してて不幸せそうな人だってけっこういるよ」と反発したくなるけど、「この人なりに私の幸せを願ってくれてるんだろう」と思い直し、ぐとこらえて黙する。
 ところがまたそうやって「結婚しなさい」とせかす人に限って、人に恋人ができると収入だの家柄だの年齢だの性格だのに、あーだこーだと難癖をつけるのだ。独身の本音としては、結婚してるという理由だけで人生の先輩ぶるのはやめてほしいです。恋愛を重ねて、あるいは恋愛・結婚以外の場所で学べることだって、たくさんあるんですから。
 Happy Single's Weekと言いたいところだけど、先のAshの言葉を借りると、「シングルズ・ウィークって、思い出したくない誕生日みたい。それでも誕生日はケーキとかプレゼントで祝うけど、この週は一体何をしたらいいわけ?」。うーん、こうしてブログでぶちぶちするくらいかな〜。