サンフランシスコが恋しい

 日本に帰ってきた。3週間近く東京にいる予定。
 今回は、ちょっと帰るのが億劫だった。
 大統領選挙を5〜6週間後に控え、キャンペーンが盛り上がるアメリカを体験しそびれるのが残念なのだ。
  
 日本の政治になかなか興味のもてなかった私が、なぜ自分の国でもないアメリカの政治に興奮するのかというと、一番大きな理由は、市民の当事者感の違いだと思う。
 SFは民主党支持者の方が圧倒的に多いので、オバマのサポーターたちが活動する様子を、これまでも身近に見てきた。
 スペイン語のサインを作って、ラテン系の多い地区に配ってまわる。
 映画上映会を開いて、その売上げをキャンペーンに寄付する。
 ケーキやクッキーを作って道ばたで売り、その売上をキャンペーンに寄付する。
 家を一軒一軒訪問して、選挙人登録や寄付を募る。
 新しくアメリカ国籍をとった人たちに、選挙人登録を呼びかける。
 コンサートやイベントで、若者に選挙人登録を呼びかける。
 カリフォルニアのオバマサポーターは、お隣のスウィングステート、ネバダ州に週末ごとに出かけては、戸別訪問やイベントブースで、投票を呼びかける。
 平日は、ネバダ有権者に電話をかけて投票を呼びかける。
 そしてこういう活動をするため、近所のサポーターがカフェなどにちょこちょこ集まっては、ミーティングしている。
 
 今週26日夜は、オバマとマケインによる最初のディベートが放送される。大統領候補のディベートは集まって見る人が多く、その夜はベイエリア各所でDebate Watch Partyが開かれる。オバマのサイトで検索したら、うちの近所でも、一般人の家、パブ、公民館、映画館などで開かれる。あぁ、行きたかったなぁ。東京でパーティがないか探してみたら、Democrats Abroadのパーティがあった。
 
 もちろん政治に全く興味のないアメリカ人もたくさんいるし、政治の話は一切しないという家庭も中にはある。でもサンフランシスコに限ってはそういう人は少ない。私のハウスメイトはこの間も「きのうオバマキャンペーンに100ドル寄付した」と言ってたし、友人の友人はオバマキャンペーンのミッション地区の担当をしていた。オバマやヒラリーがスピーチする時は、誰かの家に何人かで集まりピザをとって観てきた。ニュースやイベントのお知らせメールは毎日のように転送されてくるし、私も転送している。この一年、political junkyやactivistに囲まれて暮らしてきて、こういう環境にすっかり慣れてしまった。
 
 政治だけでなくさまざまな分野のアクティビズムが、実際に状況を改善するケースを目の当たりにして、自分たちがひとつの信念に基づいてやったことがインパクトをもち、結果が出るのは、やりがいがあるし面白いなぁと思うようになった。日本のNPO/NGOも、ダイナミックかつ創造的に活動を広げられるようになるといいと思う。
 
 せっかく食べ物のおいしい季節に帰ってきたのだし、友達に会えるのはうれしい。だけど、ちょっと早めにアメリカに戻ろうかなぁ。。。