ちょっとしたオバマのリンク集

 新しい大統領が誕生した。
 仕事先の人たちも、友人知人も、今日はとてもうれしそうだ。「Finally, I don't have to pretend to be Canadian.(これでもう、カナダ人のふりをしないですむわ)」なんてメールに書いてきた人もいた。
 
 本当に多くの市民が参加したオバマキャンペーン。ボランティアや寄付をした人たちは、自分たちが変化をうながす力となり、歴史の一部になれたことを実感していることだろう。
 
 オバマがどんな大統領になり、どのように公約を実行し、どれだけのことを成し遂げるか。そんなことの予想はともかく、重要な第一歩として、市民が自分たちで信じ、行動して新しい大統領を迎えたことに、おめでとうと言いたい。
 お祝いに、オバマに人々がどんな期待をしているのか、どんな風に人気があるのかがかいま見られるビデオや音楽、ブログを、いくつか。
 
 moveon.orgが春に実施した「Obama in 30seconds」(30秒のビデオ広告を公募)にエントリーした、『What We Can Draw from Obama』。シンプルでよくできている。豪華な審査員と一般投票により、「Most Original Ad」賞を受賞。
 http://jp.youtube.com/watch?v=K7Dq_TpH7mk
 
 数あるオバマサポートソングの中で、もっとも感動的だと思う『American Prayer』。 マーティン・ルーサー・キング牧師のビデオ引用のあと、最後の「When you get to the top of the mountain, will you tell me what you see? If you get to the top of the mountain, remember me.」という歌詞が泣ける。
 http://www.youtube.com/watch?v=oVi4rUzf-0Q
 
 ダンシング・オバマ。チャーミングな身振りで、なんと372万ビュー。
 http://jp.youtube.com/watch?v=RsWpvkLCvu4&feature=related
 
 ノルウェーの新聞に載った記事を現地在住のブロガーが英訳し、それをアメリカ在住のブロガーが和訳したもの。20年ほど前にオバマに助けられた女性があかすnice little story。
 http://100voices.wordpress.com/2008/10/30/マリーを助けた見知らぬ男/
 
 最後に、11月1日の記事だけれど、村上龍さんのJapan Mail Mediaに連載されいる、冷泉彰彦さんのエッセイ『from911/USAレポート』から、『まぶしい日本』。
 http://ryumurakami.jmm.co.jp/dynamic/report/report3_1445.html
 引用↓
 「オバマから下の世代にとって、日本は「’一神教的な善悪に言論’ではないポストモダンの文化としての憧れの対象であり、それゆえに孤立しがちなアメリカにとって、唯一顔の見える異文化なのです」
「何よりもオバマという型破りの候補を合衆国大統領に押し上げていった、若者の政治感覚の背後には、そうしたアメリカの伝統価値への反発があり、その受け皿として「クールジャパン」が常に心のどこかで意識されてきたのは間違いありません。オバマ当選という事態の背後には、一種の文化革命、つまり白人至上主義、勧善懲悪の二元論が崩壊していったという現象があるのですが、この文化的なムーブメントにおける日本文化の意識のされ方というのは、日本では想像できないほど大きいと思います。」
 ナルホド!とうなずきながら読んだ。
 
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 きのうの朝、玄関のドアに投票を呼びかけるチラシがかかっていた。
 そこに、オバマのこんな言葉が。
 "I'm asking you to believe. Not just in my ability to bring about real change - I'm asking you to believe in yours." (私はあなたに信じることをお願いします。本当の変化をもたらすための、私の能力だけを信じてほしいのではありません。あなた自身の力を信じてほしいのです。)
 
 近所の投票所まで散歩したら、出勤前に投票する人たちの長い列ができていた。8時にあける予定だったが、並び始めたので開始時間を7時に早めたとのこと。しかも投票用紙が1時間もしないうちにずいぶん減ってしまったので、追加を届けてもらったそうだ。「こんなことは初めてだよね」と、並んでいる人たちが話し合っていた。
 
 大統領としての手腕は未知数でも、市民の心に希望とやる気を呼び覚ますことにかけては右に出る者がいないことを、オバマは実証した。それはリーダーにもっとも望まれる資質のひとつだと思う。オバマサポーターは、これで変化を起こすためのスタート地点に立つことができた。多くの人の意識が変わったことは確かだし、彼らの何パーセントかは、自分が信じるオバマの公約を実現するために、行動し続けるだろう。
 この選挙が、アメリカと世界がよい方向に踏み出すきっかけになりますように。そう意識して努力できる人が、ひとりでも増えますように。。。