反戦の母の象徴、シンディ・シーハンのインタビューを翻訳していたところへ、戦争に赴いた女性兵士たちに関するニュースが入ってきた。

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 アフガニスタンで、52才の女性兵士が戦死したという。コンバットで亡くなった女性としては、最年長だった。(シカゴトリビューンの記事ペンタゴンでは、女性兵士をコンバット部隊に参加させないというポリシーがあるそうだが、現在の戦争の混乱した状況では、女性兵士がじわじわと前線に近づいている。
 この女性、メリディス・ハワードさんは、1988年に予備軍に入隊した。1996年に所属していた医療部隊が解体されたため、緊急予備軍に配置されたという。この軍には、陸軍をリタイアした年長者もけっこういた。彼女は毎月の訓練には出ていたが、仕事の内容は事務。20年入隊していたので、年金をもらえるまであと数年だった。
 ところがイラク戦争のため人手が足りなくなり、アフガニスタン再建チームのために、海軍、空軍、国家警備隊、緊急予備軍から人材がかき集められた。こんな’間に合わせチーム’は米軍始まって以来のことだという。
 ハワードさんは、もともと消防士になりたかった。故郷では女性を雇わなかったため、1978年にテキサス州のブライアンで初の女性消防士になった経験がある。1991年に花火師のパートナーができた。結婚の必要は感じていなかったが、ハワードさんがアフガニスタンに従軍することになったとき、万が一何かが起きたときに法的に夫婦になっておいた方がよいと考えて結婚することにしたという。
 感じのいい笑顔を見せる白髪まじりの中年女性が、自分が行くことになるなんて想像もしていなかった異国で、軍服を着て武器を扱う。そんな様を、現地市民はどんな風に見ていたんだろうか。

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 その一方で、女性の州兵たちが、銃を抱えたりアメリカの国旗で身をくるんだりしたセミヌード/ヌードの写真集が、CDで出回っているという。

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 個人的には、戦争に行きたいという女性の気持は理解できない。戦争以外の解決法を志向する子どもを育てるのは、シンディ・シーハンのような母親たちや、女性の務めだとも思っている。戦争で息子を失った多くの母親たちが、中間選挙に向けて真剣に闘っている。