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リバウンドというと、日本語ではスポーツやダイエットのリバウンドを思い出すが、英語でI am on the rebound.というと、恋愛のことをさしていることがよくある。で、rebound relationshipて一体何よ?というと、別れてからあまり時間の経っていない人が、前の関係をひきずったまま次の恋愛に入ることをいう。
relationship adviceによると、「別れた後は心を癒さないといけないし、なぜうまくいかなかったのか、自分を振り返った方がいい。それが未練であれ怒りであれ罪悪感であれ、前の相手への感情が残っている間は、新しい相手と対等でよい関係を結ぶのは難しい。これはふった人もふられた人もそう。なので、自分がリバウンドしてないかどうかよくチェックして、新しい相手とは時間をかけて慎重に。単純に寂しさを癒してくれる人にとびつくと、癒された後は相手がうっとうしくなって、結果的には相手を利用し傷つけることになる」・・という感じ。
別れの後、感情が消化されない間は、泣いているのが嫌な反動でやたらと明るくふるまう/誰でもいいから一緒にいてほしいとneedyになる/「男(女)なんて」とシニカルになる、などの心理状態や行動が続く。これが下手したら何年も続くことがあるのだ。知り合いのセラピストは「クライアントを見てると、別れの消化には大体”つきあった年月の1/5”かかる」と言っていた。
で、新しい恋がはじまったとして次のような兆候があったら、Rebound relationshipを疑った方がよいそうだ。
1 すばらしい人といきなり恋におちて、数日で一緒に住み始めたり、数週間で結婚したくなる。
- 前の関係がうまくいかなかったことを解決すべく、うまくいかせようとしている心理。特に男性に多い。
2 新しい相手が前の相手と正反対に思える。
- 前の相手への気持を投影しているため、前の相手よりもいいところばかり見ようとしている心理。表面的には違ったタイプでも、実は前の関係と同じ問題が出ることが多い。実際に前の相手と実際に正反対だったとしても、同じくらい合わない相手である確率が高い。
3 同性の友だちに「どこかいつもと違う」「なんかおかしいよ」と言われる。
- 不安定になっている。別れや出会いといった大きな出来事を経験した時は、友だち、家族、仕事など、自分のルーツに戻ることが大事。新しい相手にすぐに夢中にならず、ゆっくりしたペースでつきあうのがベスト。
4 物や場所など、ふとしたことで前の関係のことを思い出し、感情がこみ上げる。
- まだ別れの経験が癒されていない。
・・・なんて感じのようだ。うーん、こういうのって人のことは見えても、自分のことは見えないんだよなぁ。懲りずに同じようなパターンの恋愛を繰り返すのは、過去から学習せずにリバウンド恋愛を繰り返してるってことらしい。とはいえ、リバウンドで始まった恋がうまくいって結婚した人も何人か知ってるし、必ずしもrebound relationshipがまずいとは思わないけど。
どうしてこのことを考えたかというと、現在元彼がリバウンド恋愛中らしいのと、一年近く失恋を引きずってアル中気味になってきた友だちが心配なのと、最近うれしいことに、自分が完全に前の恋から自由になったと感じたからだ。no more rebound!
以前インタビューさせていただいたデイヴ・ペルツァーさん(『Itと呼ばれた子』シリーズの著者)は、「大抵の人は、自分で問題があるのはわかっているんです。でもベルトの穴をゆるめてもアイスクリームを食べるのをやめないのと、同じような行動をとる。。ガラクタを家のひとつの部屋に放り込み続けたら、そのうちそこからは何も取り出せなくなるでしょう。人は心理的にも同じことをするんです。大変でもふだんから自分の気持に向き合うことが大事」とおっしゃっていた。
別れや失恋は、心の大掃除のよい機会。きれいにして、新しいゲストを迎える準備をしたい。