末吉竹二郎さんの『日本新生 21世紀の切り札はCSR』を読む。末吉さんはUNEP F1(国連環境計画 金融イニシアティブ)特別アドバイザーで、CSR/SRIについて講演などの啓蒙活動をされている方。「なぜ金融が環境に関わらなければならないか」ということが、金融オンチの私にもわかりやすく書かれていた。微々たる金額ではあるが、どこの銀行に預金するか、どんな金融商品を買うか、自分のお金の行き先や使われ方も考えなくちゃと思った。
末吉さんは、「日本人および日本という社会の、海外で起きていることへの意識の低さ」が気になるとおっしゃる。環境問題に真剣に取り組むには、自分が決して見ることはないだろう未来や、自分が決して訪れることのないだろう世界の土地を想像する感性やイマジネーションが重要だ。「グルメ番組の十分の一でいいから、世界の飢餓問題や食糧事情を取り上げる番組が作られ、見られてほしい」と書かれているが、全くしかりだ。せっかく地球に生まれて、しかもこんなスゴイ情報技術のある時代に生きているのに、自分・自分の家・自分の会社・自分の国のことだけに気をとられて生きるのは、つまらないし、もったいないように感じられる。