Long Now Foundationのセミナーに行こうかさんざ迷ったが、講演内容は後でサイトで聞けるのでパーティに行くことにする。イベント/オフィススペースを借りての、さまざまなNPOの人たちの忘年会だ。宴がひと段落して、なんとなくテーブルを囲んだ5、6人の中に、かっこいい眼鏡をかけた若い女性がいた。彼女がウィキペディアのスタッフと知るや、質問が集中する。
「どんな人が書いてるの?」驚くほど若い。大学生が多く、高校生もかなりいる。
「誰が管理するの?」書き込みをする登録者はおそらく5万人くらい。管理者はその中から投票で選ばれる。
「どうやって運営してるの?」寄付とボランティア。SFのオフィスにスタッフはいるが、10名以下。
「本にするの?」そういう話は出ているが、USではまだわからない。
「スタッフ自身はウィキペディアの情報を信頼する?」信憑性はジャンルによってばらつきがある。仕事などで使うなら、ダブルチェックすべき。
「書き込みしたらすぐに削除されていた。なぜ?」登録していない人の書き込みは自動的に削除されている。しかし皮肉なのは、未登録者のほうがIPアドレスが判別しやすく、何か問題が起きたときにトラックダウンしやすいということ。
・・・などなど。
私も「ジャーナリストとしてウィキペディアを使っているか?どう思う?」と聞かれた。もちろん記事を書くときのリサーチはしっかり行なうし、情報ソースもチェックする。が、私にとってのウィキペディアをはじめとするネットの情報の便利さ・面白さは、正しい情報が得られることよりも、「人々が物事をどう見ているか」というところにある。特に海外の事象であれば、文化的背景などは感覚的につかみにくいので、異なる人々がそれをどう解釈しているかを見るのは参考になるし、それ自体が時としてより貴重な情報となる。そういう意味でこそ、ネットは情報の宝庫だと感じる。