4人家族+ゲイカップルのディナーに、私たちも呼ばれた。この2組は泊まりがけで互いの家を訪ねるつきあいだそうで、小学生の男の子2人はゲイカップルにとてもなついている。私たちは遅れていって、はじっこの席に座った。おなかは空いているのだけど、私は何となく箸が進まない(って、エチオピア料理だったから箸じゃないんだけど)。会話が途切れがちで、どことなくもわ〜んとした雰囲気の中、ディナーが終わった。ソーシャライズに慣れた30代が集っている席で、こういうことは珍しい。
皆と別れてから人間関係の概略を聞いた。ゲイカップルのL郎は、4人家族のパパママ、P男とM子と同じカレッジだった。バイセクシュアルの彼は、最初にM子とつきあい、彼女と別れるとP男とインティメートになった。しばらくしてP男とM子がつきあうようになり、結婚した。そしてそれから十数年が経って3人が再会。L郎はすでにB介というパートナーがいたのだが、P男と会って「もう一回したい」と欲望した。で、それを夫婦に言うと、考えた末にM子が「許可」を出し、数カ月後に「決行」。ところがL郎が言うには「よくなかった」んだそうで、その関係が続いてる訳ではないらしい。L郎とB介はもともとopen relationshipなので、B介はこのことは全然気にしてない・・ということだった。(ジェンダーが混乱しそうなので日本名っぽくしてみたが、全員アメリカ人)
パートナーがいても(結婚してるしてないに関わらず)、他の人と恋愛したり性的関係をもっていい、とお互いに了解している“開かれた”関係のことをopen relationshipという。「結婚制度は悪!」という人に“開かれた”派が多いそうで、特にサンフランシスコあたりでは耳にする。
うーん、ひとりとつきあうのだけでも大変なのに、二人も三人もだなんて、気力も体力もすごいなー。わたしゃ誰もが誰もと、っていうコミューン的相関図も苦手だし、“開かれた”上にセクシャルオリエンテーションも様々となると、あぁ,何て面倒くさそうなんでしょう。自然の欲求の上にそうなってる人はともかく、結婚制度へのアンチテーゼとして“開かれた”派を実験・実践している人たちは、頭で恋愛してるみたいで何やらうさんくさい。ロマンチストの私には、フランチェスコ・アルベローニの“真実の愛はexclusiveになる”という言葉がやはりしっくりくるのである。