最近ちょくちょくチェックしているのがPredictifyというサイト。

sasajun2008-06-19

 
 「Don't just read the news - Predict it!」というキャッチフレーズどおり、政治、経済、社会問題、気象、カルチャー、スポーツなどからさまざまな話題をとりあげ、ユーザが予想している。
 
 同性愛結婚が合法化された今週、サンフランシスコで結婚するカップルは何組か?
 今年のMLBオールスターゲームで勝つのはどちらのリーグか?
 映画版『Sex & the City』は公開の週、興行一位になるか?
 ブッシュ大統領は任期中にオサマ・ビン・ラデンを捕まえることができるか?
 オバマは誰を副大統領候補に指名するか?
 etc.
 
 ユーザは質問を出したり、答えたりすることができる。予想回数と正答率が高まると、ユーザの中でランクが上がっていく。特定の分野で正確な予想を続けて行くと、サイト内で専門家的な立場を確立できる。どういう仕組みだったか忘れたけれど、ちょっとだけお金も入ってくる。
 
 予想サイトはこれまでにもいろいろあったようだ。ほかを使ったことがないので比較できないけれど、Predictifyはなかなか使いやすいように思う。このサービスは、さまざまなビジネスや社内ユースなどにも応用が可能だろう。
 
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 さてさて、こっからはシリコンバレースタイルの転職の話。
 Predictifyのエディターは私のメンター、Davidさんだ。昨年他のベンチャー企業からレイオフされて、どうするのかしらと思ったら、数日後にはLinkedinやFacebookのプロフィールを「Media Consultant」に変更し、さっさと名刺を作った。レイオフされたことを伝えると、友人知人から仕事の話が舞い込みはじめた。一時期は大学教授に戻るのがベストかと考えていたが、ある日何の気なしにCraigslistをブラウズしたところ、Predictifyの求人広告が載っていた。面白いサイトだと思って履歴書を送り、1週間後には採用が決まり、2週間後にはオフィスに通いはじめた。
 
 Davidさんはベテランジャーナリストで、Hot WiredやSalon.com、KQEDのシニアマネジメントを務めてきた人だ。本来ならセミリタイヤして本の執筆でもするかという年齢だが、小学生の子どもがいるので、まだまだリタイヤするわけにはいかない。華々しい職歴は、再就職にはプラスにもマイナスにもなりうるし、新聞雑誌の衰退で優秀なジャーナリストたちがどんどん解雇されている中、一体どんな仕事に就くのかなと思っていた。
 Predictifyは、典型的なベンチャーだ。CEOをはじめ30才前後のギークからなる10人ほどのメンバーが、テレビゲームルームとエスプレッソマシンのあるオフィスで働いている。Davidさんはひとりシニアなわけだが、彼らと働くのをとても楽しんでいる。「政治的なしがらみがない。世の中がよくなるような話題に興奮するポジティブさがある。損得を考えずよく働く。何かしら新しい価値を想像できるんじゃないかという希望に満ちている。会話がインテレクチュアルで面白い。つまり・・・、退屈じゃない!」
 彼らもベテランジャーナリストが加わったことに、とてもわくわくしているようだ。
 
 若いギークたちと彼らの父親世代のジャーナリストが、縦のしがらみなく、机を並べて、自由に対話しながらひとつのサービスを作っていく。日本のデザイン会社などでもたまに見られる光景だが、実力主義と分業が徹底している。
 日本にいると、何かというと「もう年だから・・」という言葉をよく聞くし、あげくの果てに「これからどんどん体力がなくなるわよ」「45を境にどっと老けるわよ」とか、ご丁寧にリマインドしてくれる人がたくさんいる。
 シワが増える分上手にできるようになることも人間たくさんあるわけだし、体力の衰えを知力や経験値でカバーできる仕事もあるんだから、そんなに年、年といわなくてもいいのになぁ、といつも思う。
 
 Predictifyが成功するかどうかは、あと一年くらいで結果が出るだろう。成功すれば、Davidさんにまとまったお金が入るかもしれないし、そしたらセミリタイヤにちょっと近づくかもしれない。
 成功しなかったら、その時はこの仕事で築いたネットワークを活かして、また職探しだ。