sasajun2007-04-24

 長く住み慣れた高円寺から吉祥寺に引っ越して、3週間が経った。スーパーに買物に出るたびに、「都会だな〜」と思う。きのうも郵便局と薬局に行ったついでに、ふらふらとZARAに立ち寄って、パンツとシャツを買ってしまった。化粧っ気なしでメガネのまま、ドラッグストアのレジ袋をぶら下げて・・。高円寺に住んでいた時も、商店街の古着屋さんで服を買ったことは何度もあるけど、ロンロンもZARAも無印もなかったからな。
 
 いま、フィンランド人とシェアしている家は、閑静な住宅街にある。この間、夜9時ごろ歩いていたら、イヌの散歩タイムらしく、いろんなイヌを見た。血統書つきのちびっこいのが多いようだ。
 だけど、一匹も見なかったのだ。・・レトリバーを。
 これは意外だった。だって高円寺のうちの近所には、いっぱいいたのだ。顔見知りのレトリバー、特にゴールデンが。お隣にもいたし、駅までの道にある焼き鳥屋さんにも2匹いた。近所に買物に出ると、決まってレトリバーを見かけた。コウちゃん、元気で店番しているかしら。
 
 優しい瞳とフレンドリーな性質で知られるレトリバーは、典型的な愛されキャラに思える。でも十分にケアしてもらえなかった者も、中にはいる。’ボブ’の写真を初めて見た時は、「こんなくたびれた様相のリトリバーがいるの?」とびっくりした。ボブとは、『ぼくのだいじなボブ』という本の主人公だ。飼い主にネグレクトされていたボブは、隣家の人のもとに何となく身を寄せるようになる。その隣家の人だったミュージシャン、トム・コーウィン氏が、ボブが亡くなった時に心をこめて書いたメールが元になっている。トムさんのメールがあまりに感動的だったので、あちこちに転送されまくって、ついに本になったとのこと。
 担当編集者によるビハインドストーリーはここでほぼ日刊イトイ新聞)。
 英語サイトMostly Bob
 シンプルで短い言葉ほど、訳すのが難しいなと思うけど、翻訳家の上杉隼人さんがとてもいい仕事をしている。パラパラマンガつきで、しっぽをふるボブに泣ける。しみじみ。
 
 私はどっちかいうとネコ派だが、ひとり暮らしでなければイヌがいてもいいなぁと思う。柴犬の首に豆絞りをちょこっと巻いてあげて、お散歩に行きたい。

ぼくのだいじなボブ

ぼくのだいじなボブ