sasajun2007-04-01

 シリコンバレーの有名ブロガー、Kathy Sierraさんのブログが炎上したことが、英国BBCのニュースサイトでもとりあげられた([[]=『Call for blogging code of conduct』])。
 キャシーさんは「(殺しの)脅迫まであったため、予定していた講演をとりやめた」と、ブログ上で発表。本人のブログに寄せられたコメントは900余り、メールも300通ほど受け取ったが、その70%が「自分も同じような目にあった」という内容だったという。
 「ブログの世界には、否定的なコメントも削除しないという暗黙の了解がある。削除すれば、批判を拒否する人間だとみなされる。でも、それはナンセンスかもしれない」とキャシーさんはインタビューで答えている。
 この件で仲裁に入ったティム・オライリー氏は、「ブログの世界で何が許され許されないか、何らかの行動規範が必要と思う。でも、公的規制ではなく自己規制として行なわれることを望む」とコメントした。「インターネット上にいかれた人がいるからといって、インターネット自体がおかしいわけではない。私達はそういう人たちに、あなたたちのやってることは、ルール違反だよと言ってやる必要がある」
 
 キャシーさんのブログは内容は目新しいものであっても、書いている態度は挑発的ではない。これほど叩かれたのには、「女だったから」で「匿名性が問題」だということが、今回のframe warでは言われている。Salon.comのエディターによれば、女性ライターの文章を載せた時のほうが、意地悪なコメントが寄せられることが多いそうだ。その多くが性差別的なもので、肉体的なことに言及したり、差別的な言葉を使っている。「ほんのひと握りだけだが女嫌いの人がいて、匿名で憎々しげな発言をする」という。
 先日、ICPFのシンポジウム「日本のブログはこれでいいのか」でも、匿名性は論点のひとつだった。小飼弾さんが「アルファブロガーはほとんど実名。匿名はダメというより、実名のメリットを語り、高めていくほうがよい。大企業などに勤めていて身分を明かしにくいような人には、匿名というより別名というコンセプトがある」と発言していた。小飼さんは、銀行員でありながら別名で歌手活動をしていた小椋佳さんを例に挙げていた。別名っていうコンセプトはいいなと思った。