40を過ぎた友人が、無事出産した。うれしい。
女性と出産の話をしていると、「のんきだなぁ」と思うことがある。というのは、子どもを産める時期が限られていることに、あまりに無知・無頓着だからだ。私も例外ではなかった。
高齢出産のニュースはよく伝えられるので、「何才になっても子どもは産める」と思い込んでいる人は多い。だが実際の高齢での初出産には、何らかの不妊治療を受けたり、他人の卵子を使ったりしたケースが圧倒的に多いのではないだろうか。20才の女性であれば、卵子の90%が良好。40才になると、90%に不具合があると言われる。自然に妊娠する確率は、30代前半なら30%程度だが、40才になると5%ほどらしい。
キャリア街道を邁進してきた友人の中にも、30代後半になっていきなり結婚し、子づくりに邁進した人がいる。彼女たちは、「出産という壁さえなければ、トシを感じることなんてなかった」と口をそろえる。知人カップルは、夫50才、妻47才にして、もらった卵子で子どもをもった。夫は早めにリタイヤして育児に時間を捧げるそうで、とても幸せそうだ。
ある時、「こんなにみんな高齢出産について知らないんだったら、どこかで記事をちゃんと書かないとなぁ。20代の子たちだって、出産の時期を視野に入れて人生設計したいだろうし」と言ったら、牽制された。「そんなことしたら、ますます30代後半の女性の貰い手がなくなるから、やめて下さいよ」。
そんなものなんだろうか。編集やライターをやっている女性たちのこんな気後れが、ますます出産の話をしにくいものにしているような気がする。