久々に青山ブックセンター本店のイベントへ行く。今日のお題は:
  「新春!佐藤君と柴田君」
  佐藤良明氏+柴田元幸氏によるトーク
  「ビートから現代まで」vs「21世紀のアメリカ小説」
という豪華なもの。
前半は佐藤先生がビートのお話、後半はそれを受けて柴田先生が最近の小説のお話、という構成だった。佐藤先生はギンズバーグによる「Howl」の朗読やティモシー・リアリーのテープを聞かせ、自らも「Howl」と「On the Road」にまつわるエッセイを朗読した。このエッセイの朗読が本当にすばらしく、いたく感激してしまった。こういう朗読を聞くと、ふだんいかに自分が文章をぞんざいに読んでいるかにはっとする。
柴田先生は「佐藤さんが「On the Road」を訳すべき。だってそもそも『路上』っていう日本語タイトルから”止まっちゃってる”感じ。英語のon the roadという言葉は”動いてる”し、ケルアックの文章は走っているのに」というようなこともお話しされていた。佐藤訳、ぜひ実現してほしい〜。
ところで現在米国では、『On the Road』の原稿が、図書館や美術館で巡回展示されている。ケルアックがこの話を35メートルの巻物にエンエン綴った話は有名だが、この原稿をインディアナポリス・コルツのオーナー、Jim Irsayが2年前に243万ドルで購入して、「もともとon the roadで書かれたものだから、on the roadに戻してあげよう」と公開ツアーを企画したとのこと。1月〜3月はサンフランシスコのパブリックライブラリーで公開されているので、それまでに戻れたら見に行こうと思う。