夕方、サンタクルーズの友人宅へ遊びに行く。2家族が集まった家に入ると、5人の小学生が迎えてくれた。最後に紹介されたひとりが、日本語堪能なアンナちゃんだった。「よろしくね」とあいさつする。
こちらのお父さんというのはよく働く。みんなに何を食べたいか聞いてまわり、買い出しに行き、お肉とお魚と野菜をバーベキューし、それをみんなに配り、、、。お父さんのガールフレンドとお姉さんと私は、サラダを作ったりテーブルをセットしたりはしたが、基本的にはおしゃべりしながらビールを飲んでいた。
夕食後、みんなで海岸へ。アンナちゃんに、学校のことなど聞いてみる。お父さんが大阪に留学していたため、大の日本びいきだそうで、アンナちゃんはサンフランシスコの日本人学校に通っているのだ。基本科目の授業は英語だが、日本語のクラスもあって、もう5年生だからもちろん漢字も習っている。大阪にも4ヶ月ほど滞在したことがあり、銭湯やお好み焼きや布団もよく知っている。ジャパンタウンの桜まつりでは、日本の歌を合唱したそうだ。二人で「僕らはみんな生きている」を歌いながら、日の暮れた砂道を歩いた。一人っ子のせいもあるかもしれないが、アンナちゃんの控えめでシャイな物言いや仕草は日本の女の子っぽくて、一緒にいて何となく安心する。アメリカに来てからご無沙汰だった、日本的な「間」みたいなものがあるのだ。「またね、アンナちゃん」と言って別れたけれど、カリフォルニア式の社交辞令ではない。できればまた会って、どんな風に成長していくのか見たいなと思う。