タンスを買いに、IKEAに行く。でかい駐車場に車をとめると、「超消費王国へようこそ」とアレン。ショッピングが大嫌いなのだ。2F家具フロアには、日本の通販カタログに出てくるような商品がズラリ。デザインはそれなりに気が利いていて、値段はえ?というほど安い。ぐるぐるして、タンスと書類を入れるワゴンを買うことに決める。フロアにある注文票に、欲しい家具の番号や色を記入すると、1Fインテリアフロアへ移動。
アレンは大きなカートに、ハンガーだの写真立てだのダストビンだのを入れていく。数年はここに戻ってこなくていいように、あれこれ買っているのだろう。この人と買物に来ると、子どもの時にTVで見た「買物クイズショー」に出ている気分になる。限られた時間の中で、何を買うか決めなくちゃいけないというあれだ。そう言うと「アメリカにもあったよ、同じような番組」と笑っていた。
アレンはひととおり小物を放り込んだカートを私に渡すと、大きな台車をとってきた。前方には、巨大な倉庫が。なんと、家具の在庫を自分で探して台車に載せるシステムなのだ。さっき記入した商品番号は、在庫のある通路と棚を示すものだった。周りを見ると、女の子もひとりで重々しい箱をえっちらおっちら台車に載せている。
思い切り重い段ボールを積んだ台車と、小物の入ったカートを押して、レジへ。レジ前には、つい手が伸びそうなお買得商品が、これでもかと並んでいる。クレジットカードでさっと支払を済ませると、買物ゾーンから脱出。出口近くには「お疲れさまでした」というように、スナックやソフトクリームが売られ、トイレがある。
アメリカの合理的なところには目を丸くすることが度々だが、このIKEAのシステムには感心するやらあきれるやら。日本のIKEAはどうなっているんだろう?お客さんが倉庫から在庫を探して買っていく、というシステムは、受け入れられるんだろうか?少なくとも都市部では、家具は配達してもらう客がほとんどだろうから、合理化・効率化の波は、下請の配送業者などに押し寄せているのだろう。「超消費王国」たちに、これ以上の合理化はあり得るのだろうか。