sasajun2005-04-09

サンフランシスコ・ジャイアンツのホームベースを、「SBCパーク」と呼ぶのは嫌だ!という人たちが集って、「Maysfield Parkと呼ぼう」運動みたいなのをしている。球場にオーナー企業の名前がつくこと自体も気持ちよくないし、オーナーが変わるたびに名前が変わるのはいただけないじゃないかー、ということらしい。球場近くのパブにこの運動をしてる人たちが十数人集まり、Tシャツを売ったり、バンパーステッカーを配ったりしている。ビールを飲み、サンドイッチやバーガーを食べ、おしゃべりしながらのんびりテレビで野球観戦。いかにもアメリカの週末の午後だ。(ちなみにこの店のハンバーガーは「神戸牛を使用」というのがウリだった。が、よくわからなかった)。
この運動を中心になってやってるダニエル・ベン=ホリンさんという人は、Compumentor(コンピュメンター)という団体のトップ。この団体、IT関係のノンプロフィット(非営利団体)では最大規模で、ダニエルさんは日本にも講演に来たことがあるし、日本からの視察もよくあるとのこと。
彼らの仕事は、非営利団体や教育団体に、コンピュータやソフトウェア、ウェブサイト作成運営を格安で供給するなどして、IT支援を行うことだ。このパブ(と球場)の近くに立派なオフィスがあり、優秀なスタッフが数十人働いているそうだ。デジタル・デバイドの進む中、IT支援の需要は非常に高く、ノンプロフィットとIT産業の集中するサンフランシスコやシリコンバレーには、このような団体がたーくさんある。中でもCompumentorは草分け的存在であり、その業績はすばらしい。(ウェブサイトもパンフレットもかっこいい。)本当に多数の人たちが、その恩恵を得てコンピュータというツールを世の中のために使えている。その一方で、彼らがマイクロソフト社から多額分のソフトウェアを得ていることには、「結局は大企業の独占をサポートしていることになる」と批判的な見方もある。ノンプロフィットのあり方、運営の仕方、経済効果については、今後勉強していきたい。
それにしても、この「球場の名前を変えよう活動」を見ていると、運動といっても気軽なもんだなーと思う。なかば遊び感覚といったら語弊があるかもしれないが、とりあえず集まって声をひとつにすれば、何らかのインパクトが生まれるさーという感じ。その加減が面白かった。