『アメリカン・アイドル』の審査員、Simon Cowellのインタビューを読む。英国で大成功した『Pop Idol』にならい、米国でスタートした『American Idol」は、グラミー賞授賞式やオリンピック中継をしのいだ高視聴率番組だ。日本でもFOX TVで、1週間遅れで放送されている。
 サイモン・コーウェルの毒舌の批評は、この番組の名物だ。英語で誰かをinsultする言い回しを知りたかったら、サイモンのコメントを聞けばいい、というほど。当然「何様だと思ってんだ!」という反発も多いが、「正直でスッキリする!」と人気も高い。歌がお粗末な子に「何でわざわざけなされるために出てきたの?」と聞くと、大抵「家族や友達に、世界一のシンガーだって言われたから」と答えるそうだ。アメリカ人は子どもをほめて育てるけれど、それが時に非現実的に行き過ぎて、家族愛に美化されてしまう。「そういうのにウンザリしてるから、サイモンが好きなのよ」と、知り合いは言っていた。
 サイモンは音楽業界の起業家として有名だ。『American Idol』の成功の理由については、「まずすごくいい番組だし、年に一度しかないから飽きられない。それから数あるリアリティショーの中で、もっともリアリスティックだったから」と答えている。その成功に気をよくしてか、『American Inventor』という番組を始めた。プロダクトのアイデアのオーディション番組で、選考に残ると開発に50,000ドルが支給される。優勝すると、1億ドルの賞金、商品の製造販売契約が成立するというもの。10,000人から応募があったという。なかなか面白そうだ。