日本珍道具学会の川上賢司さんに会いに行った。いい感じに散らかったオフィス。川上さんのくすくす笑い。「今この瞬間、アリンコに煙草を吸わせる方法を考えてる人が、世の中に何人いるかって考えてみて。それが64億人分の一の、自分のアイデンティティになるんだよ」発想法についてうかがったら、そんなお話をたくさんしてくれた。かわいらしくてアナーキーな珍道具の作者らしく、とてもチャーミングな方である。
川上さんは珍道具の英語名を考えるに当たって、「unuseless」という形容詞をつけることにした。useless(使えない)にunをつけて、「ほとんど使えない」という珍道具の特徴を表現したかったんだそうだ。このunuseless Japanese Inventionsが、3冊の本になって出ていて、これがアメリカで大人気。なんと現代美術館や空港で平積みになっている。私も川上さんのことはSFMAで知ったのだ。「頭使わないでいいから、飛行機に乗るときいいんじゃない?」と川上さん。
「なんかアイデアない?考えてー」と言われたので、なんとなしに考えてるが、珍道具十箇条を満たすものってなかなか難しい! 川上さんは「外国にも珍道具は絶対あると思ってたから、珍道具学会を作ったとき’日本’とつけたの」とおっしゃってたが、実際にはなかったそうだ。珍道具という概念そのものが、川上さん最大の発明だったのであーる。
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