underdog

 「敗け犬」という言葉、今もけっこうよく聞く。立ち読みしただけでちゃんと読んでないけど、私としてはこの本の売れ方から、「敗け犬=したたか」というイメージが、なんとなくできてしまった。この言葉がブームになったとき、私は自由業だから何も感じなかったが、会社勤めの友人などは「この商品は敗け犬層にウケる」といった年下君の発言を会議で聞くたびに、内心いやーな思いをしていたとのこと。
 個人的には人を年齢性別ライフスタイルもろもろでカテゴライズすること自体が、一昔前の広告代理店の手法みたいで好きじゃない。なのでSPA!とかの中吊りに、やたら「○○男」「○○女」とネーミングしてるのも、どこか古くさいなーと思ってしまう。なんというかこういうネーミングの背後には優越感と劣等感を感じるのだが、それが何とも時代錯誤な印象を受けるのだ。
 あの本が出てから、外国人に何度か「敗け犬」を書いた人・読む人々のサイケを説明してくれと言われた。私の説明も下手なのだろうが、よほど日本に精通した人でさえ、頭では理解できても面白いとは思わないようだった。うまい説明のしかたがあったら知りたい。