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オークランドの球場で、アスレチックスvsマリナーズのゲーム観戦。右翼側２階席に座ると、後方にfrat boy風グループが陣取っている。この子たちが、イチローが守備につくたびに「Ichiro---!!!」と雄叫びを上げるのだ。「We're gonna get him, 1,2,3!!! （お〜ら、絶対ヤツにこっち向かせるぞお、せ〜の！）」「ICHIRO!!!」が、執拗に繰り返され、イニングが進み、ビールの酔いが回るほどに、荒っぽくなってくる。要は敵チームの華、イチローのカルトを皮肉ってるのだが、アウェイのゲームで相手方のファンにここまで気になる存在になっているのか〜と、妙に感心してしまった。
ゲームは接戦。後半は塁が埋まりどちらかに点数が入りそうになるたびに、アスレチックスファンのドンが「見てるのがつらい。もう見るのやめて後でどうなったか教えてもらいたい気分」と、青ざめる。私もマリナーズが好機を逃すたびに頭を抱える。延長10回、５−４でアスレチックスの勝利。マリナーズは負けたけど、長谷川と薮の好投球も見ることができ、フレンチフライも山もり食べて、満足して帰路に着く。イチローの動き・たたづまいをフィールドで目の前にしたことは、私にとってあまりに大きな出来事で、言葉にできない。高円寺のマンションのテレビの前から、オークランドの球場へ。イチローがメジャーリーグに入って数年、自分もまた旅をしてきたことを思い、ふとその距離の重さを感じた。