テレンス・マリック監督の『The New World』の試写を観た。新大陸アメリカにやってきた英国人と、ネイティブ・アメリカンポカホンタスが禁断の恋に落ちる・・という、史実に基づいた話。
ハンサムで野性的で自由気ままでエゴイストで、従って女性への思いやりや責任感に欠ける男と、彼を愛して待ち続ける、寡黙だが情熱を秘めた強烈な女。そして心までは手に入らないその女を愛してやまない、もうひとりの男。というトライアングル関係。自然のきらめきを俳句のように見事にとらえた、官能的な映像。アメリカ史のある時代を、ひとりの人間のナレーションで語る手法。
いずれも、『Days of Heaven(天国の日々)』から変わっていない。これほど独特のスタイルをもった監督もそうそういないように思う。
あらためて、女性というのはすごいと思った。何がすごいって、多くの人の運命を変えるようなことを、たった一人の男への愛のためにやってしまう、というところがすごい。「けなげ」とか「いちず」という言葉は、やっぱり女性に似合うなぁ、と感じた。